小児歯科
お子さまのむし歯について

子どもがむし歯になる原因
子ども、大人に関わらずむし歯は私たちが食べたご飯や甘いもの、すなわち糖がお口の中の菌によって代謝され、酸を出します。その酸によって歯が表面から溶かされむし歯がすすんでいきます。
むし歯にならない為に気をつける
ポイント
むし歯にならないためには、
- 砂糖の摂り方に気をつける
- 1日2回以上歯磨きをする
- 年齢に応じた量、濃度のフッ化物を応用し
歯を強化する
この3つがポイントになります。
むし歯は移る?
以前は食具の共有やスキンシップにてむし歯菌が移る感染症と言われてきましたが、現在ではむし歯は特定の菌のみによって引き起こされるわけではないと考えられているため、食具を分けたりスキンシップを避けてもむし歯予防ができるという根拠は弱くなっているので、それらの方法で口腔細菌の感染をそこまで気にしすぎることはありません。
むし歯は「食生活」「歯磨き」「フッ化物の応用」で予防していきます。
むし歯のなりやすさ
風邪をひきやすい、ひきにくいがあるのと同じで、元々の歯の弱さや唾液の量、質だったり遺伝的要素はあるかもしれませんが、ほとんどの場合生活習慣によって変わります。
お子さまのむし歯予防

歯医者で行うケア
- 3〜4ヶ月ごとの定期検診
- 歯医者での高濃度のフッ化物応用
(フッ素塗布)
自宅で行うケア
1日2回の歯磨き
特にお子さまの手首の関節が完成する10〜12歳ごろまで、特に乳歯と永久歯が混じってる時期は保護者による寝かせた状態での仕上げ磨きが理想です。
年齢に応じたフッ化物の応用
歯が生えてから5歳まで
900〜1000ppmのフッ化物濃度のフッ化物配合歯磨剤をグリンピース大の量を利用して、就寝前含め1日2回歯磨きを行います。うがいをする場合ごく少量の水で一回のみとし、そのあと2時間は飲食しないようにしましょう。
6歳〜成人
1,400ppmのフッ化物濃度のフッ化物配合歯磨剤を2センチ、就寝前含め1日2回歯磨きを行います。うがいをする場合ごく少量の水で一回のみとし、そのあと2時間は飲食しないようにしましょう。
乳歯のむし歯について
乳歯は永久歯と違い、エナメル質が薄く、柔らかいためむし歯の進行速度が早くなります。通常大人のむし歯は年単位で進行しますが、乳歯あるいは生えたての永久歯は数ヶ月単位で進行します。
また大人のむし歯と違い肉眼で確認がしにくいため、保育園や幼稚園の歯科検診では見つからず、レントゲン検査にて初めて発覚するケースがほとんどです。
むし歯にならないために
歯が生えた時からむし歯になる可能性があります。歯医者でのプロフェッショナルケア、ご自宅でのセルフケアに加え、食生活も重要になってきます。むし歯は砂糖によって酸が代謝され、その酸によって歯が溶かされていきむし歯になります。
とはいえ、通常の食事にも砂糖は入っているため完全に砂糖抜きで生活するというのは困難です。砂糖にはいろいろな種類があり、特にむし歯になりやすい砂糖の取り方には気をつけないといけません。
むし歯になりやすい砂糖はWHOの定義で「遊離糖」としています。例えば人が食品、飲料に添加する糖類のほか、はちみつ、シロップ、果汁、濃縮果汁の中に天然に存在するものを遊離糖としています。
食品でいえば、飴、ラムネ、キャラメル、ドライフルーツ、ポテチ、アイス、ソフトキャンディ、グミ、クッキー、チョコなどの菓子類、菓子パン、ケーキなどの甘いデザート、甘味シリアル、はちみつ、シロップ、加糖ヨーグルトなど。飲料でいえば例えば清涼飲料水などのジュース類、スポーツドリンク、果物ベース、ミルクベースの甘味飲料水に加え、野菜ジュースや100%果汁ジュースも実はむし歯リスクが高い飲み物です。なぜ?と思うかもしれませんが、むし歯になりやすい遊離糖というのは、新鮮な果物や野菜に含まれる糖、母乳や牛乳に自然に含まれる糖は含まれていないのです(絶対にむし歯にならないというわけではないです)。
そのため、「果物は制限しないが、100%ジュースは制限すべき」ということになります。特にジュース類は噛まないので唾液分泌が促進されず、危険です。果物、野菜ジュレのようなものも噛まない上にお口の中に停滞しやすいので危険です。スパウト状だと前歯に溜まりやすいので哺乳瓶むし歯と同じように前歯がむし歯になりやすくなります。
国際小児歯科学会では、特に2歳までのお子さんは遊離糖を避けるべきとしています。そのため、2歳までのお子さまは上記の食べ物、飲み物は全てそこに当てはまりますので避けるべきです。それ以降の年齢もあくまでも嗜好品、もしくは病事やイベントなど限定的なものとして摂るようにし、常飲常食は避けるべきです。
野菜や果物だけならどれだけ食べても「むし歯にならない!」というわけではありません。歯磨きをし、フッ化物を使うという基本的な予防をしながら遊離糖に焦点を置いて制限することで一生涯のむし歯を少なく抑えることができます。
すでに甘いお菓子を与えてしまっていて、これから辞めさせるのは大変…という親御さんは、食べ方や回数に気をつけていきましょう。だらだら食べにならないようにするほか、間食の回数が3回以上になると危険とされているため、1日2回までにしましょう(ジュースを飲むのは一回に含まれます)。
乳歯の治療方法
むし歯が神経まで達していない場合は、むし歯を取ってプラスチック樹脂の詰め物を詰めます。
神経まで達している場合は、神経の処置(根の治療)が必要になります。
赤ちゃんの歯について

赤ちゃんの歯が生える時期
6〜9ヶ月ごろから下の前歯が生え始めます。
歯が生えてくる場所や順番
乳歯
| 時期 | 場所 |
| 6ヶ月ごろ | 下の前歯が2本 |
| 10ヶ月ごろ | 上の前歯が2本 |
| 1歳ごろ | さらに上下2本ずつ |
| 1歳半ごろ | 最初の奥歯が4本 |
| 2歳ごろ | 乳犬歯が4本 |
| 2歳半ごろ | 奥歯が4本で20本の乳歯が生え切る |
永久歯
| 時期 | 場所 |
| 5歳半ごろ | 下の前歯2本、上の前歯2本 次にその横の歯2本(側切歯)と上の前歯2本が生え変わり、さらに新しい永久歯が生えてくる |
| 8歳ごろまで | 生え変わりが一段落する |
| 8〜10歳ごろ | 残りの歯が全部生え変わる |
| 10〜12歳ごろ | 全ての乳歯がなくなって永久歯に生え変わる |
歯が生えそろう時期
乳歯列で2歳半ごろ、永久歯列で12歳ごろですが、個人差も多く、一年ほどずれたりすることもあるので、心配であれば歯科医院で確認してもらいましょう。
歯が生えてこないケース
単純に歯が生えるのが遅いケースと、そもそも作られていないケース、表面の歯肉が固くなって出てこられないケースがあります。
上記の通り、個人差も大きいので心配であればレントゲン検査で歯が作られているかチェックしてもらいましょう。
また、歯が作られているのに乳歯が抜けてから永久歯が生えてこない場合に、表面の歯肉が硬くなってしまって出てこれなくなっているケースもあります。その場合は歯肉を開窓(歯肉を切る)し永久歯を生えるのを促す場合もあります。
赤ちゃんの歯磨きに
ついて

歯磨きを始める時期
歯が生え始めたら、いきなり歯ブラシをするのではなく、まずはお口周辺に触れることを慣れさせるためにガーゼ磨きから始めてもよいでしょう。磨いた後に、900ppmのフッ化物配合歯磨剤やジェルをお口の中に含ませたり歯に塗るのもむし歯に効果的です。
上下4本ずつ生えた一歳ごろから、子供用の歯ブラシで歯磨きを始めましょう。磨く時はお子さんを寝かせて、上から磨くようにしましょう。
オススメの歯ブラシ
やわらかめの子ども用の歯ブラシで磨きましょう。毛はフラットなタイプがよいでしょう。
お子さんが自分で磨くようになったら、本人が磨く用の歯ブラシと親御さんが仕上げ磨きで使う歯ブラシは分けたほうがよいでしょう。
歯磨きを嫌がらせないコツ
発達の観点から、3歳ごろから上手に仕上げ磨きをさせてくれるようになってくることがわかっています。そのため、それまでは綺麗に磨けるようにすることも大切ですが、楽しいスキンシップの時間になるように、またフッ化物をしっかり応用していくことが大切です。
また、歯磨きをする前にお子さんが寝てしまって磨けない場合、歯ブラシにフッ化物配合歯磨剤やジェルをお口の中にいれて、お口の中にフッ化物が残るようにするとよいでしょう。
